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その際、「収益性の原則」の観点からは、預金金利の自由化に対応するための業務の見直しと、利用者の金融ニしスの多様化、高度化に即した営業力の強化がポイントになるでしょう。
また、 「健全性の原則」の観点からは、増大するリスクを回避し、あるいは適切な範囲内にコントロールするための体制整備とともに、自己資本の充実が不可欠です。
さらに「公共性の原則」の観点からみると、変化する経済・金融環境の下で、国民経済の健全な発展と国民生活の向上に貢献するために銀行はどうあるべきかという視点を常に持ちながら、業務 187を遂行することが求められています。
預金金利自由化への対応 預金金利自由化の進展によって、銀行の資金調達利回りが変動しやすくなるとともに、従来より上昇することは避けられません。
銀行は、こうしたコストの変動や上昇を吸収できるよう、一層の経営の効率化に努めると同時に、次のような方策をとることが必要になっています。
①貸出金利設定方式の変更 預金金利自由化に伴う資金調達利回りの変動や上昇に対応するためには、貸出金利の設定方式についての工夫が必要です。
預金金利自由化がすでに完了した欧米では一般的になっている、スプレッド貸出がわが国でも増加しています。
銀行が自由金利市場で資金を調達する際の金利に利鞘 (スプレッド)を加えて貸出金利を設定するものです。
また八九年に、従来の公定歩合に連動した短期プライムレートに替えて、銀行の資金調達構成を勘案した新しい短期プライムレートが導入されたり、九一年から普通銀行等が長期貸出について、短期プライムレートをペースにした金利設定方式を採用したのは、こうした対応の一環です。
②貸出分野の再検討 上昇する調達利回りに対応して運用利回りを引き上げるためには、相対的に利回りの高い分野へ貸出の重点を移していくことが考えられます。
中小企業や個人向けの貸出、住宅ローン等の長期貸出などは、利用者のニーズも高く、近年、銀行が力を入れてきた分野です。
③非金利収益の増強 預金金利自由化の進展によって利鞘の確保がむずかしくなるなかで、安定的な非金利収益として手数料収入の重要性が高まっています。
銀行はこれまで家計や企業に対して、無料ないしは割安な価格で決済サービスを提供してきました。
しかし、流動性預金金利自由化の下では、従来の手数料体系を見直すことが必要になります。
また、そのほかにも、いわゆるフィービジネスに注力することによって金利収入の補完を図ることが必要です。
国際業務や証券業務等の分野における、ディーリング収益等の増強も重要です。
マーケット志向の経営個人や企業等の金融資産の蓄積が進んだ結果、金融商品・サービスに対する顧客のニーズはます 189ます多様化、高度化しています。
こうしたニーズに十分応えられるかどうかが、顧客サイドからみた銀行の優劣の判定を大きく左右します。
①マーケット別の組織と営業 大企業を中心としたホールセールーマーケ。
トと中小企業や個人から成るリテールーマーケ″トとで異なる本部組織や営業体制をとることは、八〇年代にすでに多くの銀行で行なわれています。
企業取引面では、経営に役立つ情報を積極的に提供したり、個別案件ごとに適切なファイナンス方法を提示することは、すでに当然のこととされています。
個人取引の分野でも、資産家、学生、O売が活発化しています。
②新商品開発 銀行にとっては、他行に先がけてよりすぐれた新商品を生み出す商品開発力の強化が重要な経営課題となってきました。
そのため、各銀行とも本部に商品開発部門を設け、その充実に力を入れています。
現在、スワップやオプションといった新金融技術を駆使した運用・調達手段の開発、企業を対象にしたファームーバンキングや家計を対象にしたホームーバンキングの機能向上などに努めています。
銀行経営の課題と展望司 販売面については、支店の行員による販売のほか、専門性の高い商品分野を中心に、本部行員が直接顧客に接触し、営業活動を行なう体制も充実されてきました。
倒グループ金融力の強化 銀行は銀行本体による預金、貸出、為替の固有業務や各種の付随業務等に加えて、関連会社への出資や人材派遣を通じてさまざまな金融関連業務を営んでいます。
大手の銀行は、付随業務である保証業務、クレジットカード業務、ファクタリング業務等について、また、周辺業務であるリース業務、ベンチャーキャピタル業務、投資顧問業務、経営コンサルティング業務などについて、これらの業務を営む関連会社に出資しています(ただし銀行は関連会社についても、原則として独占禁止法による五%の出資制限を受けています)。
なかでもクレジットカード業務やリース業務については、銀行系といわれる会社が業界の大きなシェアを占めるまでに成長しています。
また、各種受託調査やコンサルティング等を行なうシンクタンクとして研究所の設立が続いています。
海外でも、子会社の設立や企業の買収等によって、銀行業務、証券業務、リース業務等に進出しています。
スイスでの銀行子会社やロンドンでの証券子会社の設立、米国での銀行、証券会社や 192ファイナンスーカンパニーの買収と信託銀行の設立等があります。
②今後の展開 銀行はこうした金融関連業務の分野において、関連会社それぞれの競争力の強化を図るとともに、銀行本体と関連会社及び関連会社相互間の有機的な結びつきを強めることにより、総合的な金融サービスの充実を目指しています。
金融制度改革によって、銀行は国内においても、関連会社を通じて証券業務や信託業務への進出が可能になるなど、業務のフロンティアは大きく広がろうとしています。
今後、このような新しい業務にどのように取り組んでいくかが銀行経営にとって大きな課題となっています。
川銀行をめぐるリスクと対応 金融の自由化、国際化の進展とともに、銀行の収益機会が拡大する一方、銀行経営をめぐるさまざまなリスクが増大しています。
これからの銀行経営において、こうしたリスクを適切に管理する銀行経営の課題と展望ことが極めて重要になっています。
①信用リスク銀行の資産内容が悪化し、元本の回収や利息の支払いを受けることができなくなるリスクです。
いわゆる貸し倒れリスクがこの典型例です。
発展途上国の累積債務問題に代表されるような、貸出相手国の政治・社会情勢や経済環境の変化によって銀行の資産内容が悪化するリスクも含まれます (カントリーリスク)。
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